研究について
RESEARCH
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新規アミノ酸配列解析手法の開発
Development of a novel amino acid sequence analysis method
タンパク質工学的手法により酵素やタンパク質の機能を向上させる研究は、現在まで広く行われています。特にタンパク質の立体構造 (形) を参考に、機能向上の達成を目指す、いわゆる合理的設計法が広く使われています。一方で、タンパク質の形が利用できない場合、合理的設計法の適用は難しくなります。このような課題に立ち向かうべく、我々はタンパク質のアミノ酸配列のみを利用する、新規なアミノ酸配列解析手法と人工タンパク質設計法の開発を行っています。独自開発したINTMSAlignとその応用法の開発・実証試験を通し、自然界由来のタンパク質の機能を超える、数多くの人工タンパク質設計に成功しています。国内外の大学や研究所、企業との共同研究を通して、更なる手法の改良に取り組んでいます。
コンピュータを用いて蛋白質工学研究を行う上で、使いやすいソフトウェアを開発することは必要です。我々は外部共同研究を通して、計算化学解析用ソフトウェアを開発しています。計算化学の結果(タンパク質)を可視化するために、世界的に広く使われているPyMOLのプラグインも開発しています。プラグインの開発は、H27年度 統合化推進プログラム[統合データ解析トライアル]の助成を受けて行いました。
コンピュータとin vitro実験を融合した酵素工学研究
Enzyme engineering research by integrating computer and in vitro experiments
次世代シーケンサーに代表される技術は、莫大なデータを高速で生み出します。このデータを加工して有効活用する手法は、創薬や酵素応用の分野にブレイクスルーを生み出す可能性を秘めています。我々は酵素機能を向上させる変異点(hot-spot)を、データベースに登録されている一次配列情報から探索する手法の開発を進めています。本手法を応用してデータベースから酵素の配列を人工的に全設計し、機能を持った酵素を作りだすことにも成功しています(以下のHNL85, HNL54, HNL30)。コンピュータ解析の結果を、実験で確認することを通して研究を進めています。
酸化還元酵素は有用物質の合成や、食品試料中の特定化合物(食品添加物やアミノ酸など)の濃度定量に使われています。我々はアミノ酸、アルコール、アミンや窒素酸化物に作用する酵素群について、それらの作用機構を明らかにすることを目指しています。X線結晶構造解析や生化学的手法に加え、分子動力学法(MD)や量子化学計算(QM)など、計算化学的手法も用いて研究を進めています。
研究業績
共同研究